以下の A(回答)は主催者の考えを書いたものですが,今後修正する可能性はあります。

Q1: 心の苦しみの問題だけをとりあげても,どうにもならないのではないですか?

A1: ブログの最初の説明にも書いていますが,この会は対人支援の「場」を用意するものであり,中身や質は参加者がつくっていくものです。心の苦しみをもつ人や,この問題にまじめに関心をもつ人がまず出会って話ができる関係になり,そこから一呼吸おいて,各自が新しい発見をすることや,新しい行動にふみだすことは可能と考えます。心の問題は,傾聴を基本とする心理的支援だけでなく,おそらく社会的支援でも対応する必要があり,専門機関とつなぐこと,さまざまな支援制度を活用することがふくまれます。

Q2: 客観的に存在している放射能汚染が,心の問題にすりかえられるのではないかと心配です。

A2: 客観的に存在しているものから目をそむけることは,方向性をあやまり,とりかえしのつかない損失になる危険性があります。たとえ善意の動機であっても,心の問題へのすりかえがあってはならないと考えます。
状況は多面的に存在しているので,客観的に存在している放射能汚染の問題も,心の苦しみをどうのりこえるかも,それぞれ状況の一面です。
放射能汚染が客観的に存在しているかどうかは,科学的論理と手法で確認していく必要があり,もし確認できない場合でも,それだけで「安全」とはいえないことも当然ありえます。
一方,調査根拠(たとえば土壌汚染の測定結果)や状況証拠(たとえば家族の身体的変化)もなしに雰囲気で「あぶない! 危険だ!」と断定するならば,いずれ自分自身が判断基準を持たないまま袋小路にまよいこむおそれがあります。
また,「安全か危険か,わからないからとりあえず避難して様子を見よう」というのは,予防原則に一致する科学的態度と考えられます。
もし,心の問題を「状況をどう解釈するか,本人がどう納得するか」という「解釈の問題」にすりかえるならば,加害者たちがよろこぶことになるでしょう。

Q3: 主催者が若い世代のつながりを重視されているのはなぜですか?

A3: 放射能の身体的影響は個人差がおおきく,(蟻塚亮二医師が報告されているように)100年(ほど)たたないとわからない一方,(恐怖や怒りの)精神的影響は相当長期におよぶことはほぼ確実であるということから,つぎの世代の方々に,本当に申しわけないことですが,ひきついでいくことは避けられないわけです。
生活環境の激変や精神的に苦しい体験をしたこどもも,ひとりの独立した人格をもっている以上,親の想像をこえる独立した可能性をもっているはずです。つぎの世代が人としての尊厳と誇りをもって,仕事や,家庭や,社会貢献を大切にしてほしいとねがっています。
震災10周年の大波のなかで,被災者のこどもたちも成長し,声をあげはじめています。まずは共通の関心をもつ人のつながりをつくってほしいとねがっています。
一方で,避難や移住にともなう生活の混乱やその他の事情で,進路選択や人間関係につまづき,心を閉ざしてしまった若い世代もいる,とのことです。おそらく多数潜在しているのではないかとおもいます。声をあげる若者とともに,声をあげられない若者のことも大切に考えていく必要があります。

「子どもの権利条約」第12条では,子ども(18歳未満の人々)には自分の意見を表明する権利があることを明示しています。日本もこの条約を批准しており,この条約を守ることを世界に約束しています。政府だけでなく,日本のすべての組織や個人がこれを尊重する必要があります。子どもの権利を実現するのはおとなの役割です。現在の子どもだけでなく,被災当時子どもであった人々が発信をすることを,おとなたちは見まもり,はげますことができるはずです。
条約の政府訳はかたくるしいコトバがならんでいますが,子どもにもわかりやすく書かれた本や,ユニセフの学校むけの低価格のパンフレットなど,多数の出版物やウェブサイトがあります。

カーリル
こどもの けんり https://calil.jp/book/4876720363

unicef

(つづく)

Q4: 1回だけの参加でもいいですか?

A4: もちろんご希望の回だけでもOKです。おきがるに!
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(つづく)
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